マンマミーアー!! (イタリアに着いた時の私の心の声)
仕入れで訪れた、ミラノ近郊。
「クラシカルな革製品を50年以上自分で作り続けている頑固なマイスターがいる」という
情報をキャッチしていた、わたし(Markoi)は、どうしてもイタリア版
江戸っ子に会ってみたくて、アドレスだけ入手し、アポ無しで現地へ向かったのである。
案外スンナリと、その「知る人ぞ知る」伝説のオヤジが営むファクトリー兼ショップ(?)
を見つけたのだが…..
どうも、入り口を塞ぐ格好で誰かが立っている…
どうやら、その人物こそが「噂のマイスター(頑固オヤジ)」のようだが…
ただならぬ表情で、歩いていファクトリーへ近づくわたしを、仁王立ちで睨んでいるのである。
そう見えたのかもしれない。否。「目線そらす作戦」や「ちょっと道をそれる作戦」をしたが
わたしを見ているのは間違いない;;
ここはイタリア、ミラノ。だが、いわゆる観光する場所というよりは、地元の人しかこないような
場所だから、そもそもアジア人がめずらしいのか? いや、ひょっとすると、以前にここを訪れた
アジア人が無礼をしマイスターの機嫌を損ねたのか??
理由は分からないが、とにかくショップの方へ入ってみる。
「お前は何しにきた、帰れ」と言わんばかりの態度、しかも英語が通じない(私の片言な英語だが
単語自体が通じていない感じ)、これはまずい。理由は分からないがとにかく「警戒」されている事は
間違いない。
仕方が無い、バイヤーとしてはどうかと思うが。
買倒れ神拳-奥義「頑固オヤジは面倒くさい話が大嫌いだから、値段も聞かずに即お買い上げすると、
その心意気で気に入ってくれる」をジェスチャーで披露。
奥義をかました自分でさえ驚くほどのリアクションがコレである。まさかの抱擁。
しかもこの感じはまるで、共に戦った戦友への熱い抱擁のようである(笑)
ご機嫌で作業場を見せてくれたり、奥さんを紹介してくれたり、しまいには
手作りの革細工のキーホルダーをくれたり、さっきの態度はどこいった?
まぁ「生粋のミラノっ子」は、日本で言うところの「江戸っ子」や「浪速っ子」
と何かが同じだなと思い。この頑固オヤジが大好きになった。今度来る時は通訳
つれてこよっと;
そうして仕入れた革小物達である。
物は作っている人の魂が宿ると思う、ここの革細工はそういう意味で本当に
一針、一針の仕上げから、革の裁断から、マイスターの素敵な性格や人間としての
可愛らしさが、にじみ出ている。 なんとも一品一品に「味があり」なんとも「にくめない」
のである。 人にも物にも大満足の仕入れで、こういう商品を扱えたのはバイヤーとして
幸せである。
すでに種類によってはSOLD OUTしてしまった物もあるようなので、気になった方はお早めに。